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BL19 匠 工学材料回折装置

概要

材料工学における実用材等の内部応力、組織等に係る様々な課題を解決する

研究対象鉄鋼や非鉄金属材料、セラミックス材料、金属基複合材料、小型部品から大型部品
特徴直交2方向以上のひずみ成分の同時測定、マルチピークの同時測定(FCC鉄鋼の場合15個以上)が可能です。高いピーク分解能による高いひずみ測定精度の実現。

「匠」は材料工学や機械工学に関わる材料研究のための飛行時間型中性子回折装置である。中性子回折パターンに表れるBragg反射の位置・強度・プロファイルを詳細に解析することで、材料の内部応力・相比・転位・集合組織など、新材料の設計や構造物の信頼性評価に役立つ様々な情報を得ることができる。中性子回折法はこれらの情報の、ex-situ及びin-situ観察に適しており、工学材料研究のための強力な手段である。

仕様

情報更新:2016-10-12

装置名称工学材料回折装置 (匠)
装置の目的・概要
  • 構造物の内部ひずみ分布測定
  • 構造材料や機能性材料の変形中や熱処理中における微小組織・構造変化の評価
  • 構造材料や機能性材料の製造プロセス(加工熱処理)における微小組織・構造変化の評価
  • 工学材料の集合組織の解析
  • 工学材料の微小領域を対象とした結晶学的研究
ビームライン番号BL19
モデレータ種類非結合ポイズン型モデレータ
測定可能d範囲標準モード(シングルフレーム): Δd~0.25nm(dminとdmaxが可変)
広域モード(ダブルフレーム): Δd~0.50nm(dmaxはおおよそ0.50nm)
S/N比~10-3
ピーク分解能低分解能 (~ 0.4 %)
中分解能 (~ 0.3 %、おすすめ)
高分解能 (~ 0.2 %)
ラジアル コリメータ1 mm, 2mm, 5 mm (それぞれが一対)
典型的な試料サイズ負荷試験: 直径 ≤ 6mm (丸棒)または2mm厚× 6mm幅(板材)
残留応力測定: 最大250 x 250 x 2000 mm3の構造物
参照用粉末試料、他
データ集積系
  • イベントデータ記録方式 (測定中または測定後に専用ソフトウェアで回折パターンへと変換。時分割範囲、TOFビン幅、使用検出器範囲はデータ処理の段階で任意に設定可能。)
  • データモニタリング (数秒ごとに更新)
  • 荷重、ひずみ、温度などの条件に基づいたデータ分割処理技術を開発中。
試料環境・機器• 大型試料テーブル (700×700 mm2, 耐荷重1トン)
• BL19 標準引張試験機(50kN)
• 高温引張試験用高温炉(1273K)
• 液体窒素低温引張試験システム(80 K – 473 K)
• 極低温引張試験機(50 kN, 6 K – 220 K)
• 疲労試験機(60 kN, < 30 Hz)
• 小型試料用高温引張試験機(25 kN, 1273 K)
• 熱膨張測定機(1273 K)
• オイラークレイドル
• ガンドルフィゴニオメーター
その他の特徴・利用に関する注意など

内部応力観察のためのその場測定における、一条件(荷重、温度…)での標準的な測定時間。(加速器出力300kWの場合)

試料大きさゲージ (mm3)分解能測定時間
鉄鋼Ø5 mmw5 x d5 x h50.3 %> 30秒
マグネシウムØ6 mmw5 x d5 x h50.3 %> 1 分
チタンØ5 mmw5 x d5 x h50.3 %> 3 分

例1) ゲージ体積5 x 5 x 5 mm3、分解能0.3%の条件での、φ5mmの鉄鋼棒材の15段階の荷重での引張試験その場測定の場合。
合計時間 = 30秒 x 15荷重 = 7.5分
転位等の微小組織情報を調べるためのプロファイル解析には、標準的な測定の20倍以上の測定時間が必要。

鉄鋼材料の残留ひずみ解析のための測定における、中性子が試料内部を透過する距離と一点での標準的な測定時間。(加速器出力300kWの場合)

試料透過長ゲージ (mm3)分解能測定時間
鉄鋼5 mmw2 x d2 x h20.2 %> 5 min.
鉄鋼10 mmw2 x d2 x h20.2 %> 10 min.
鉄鋼15 mmw2 x d2 x h20.2 %> 20 min.

例2) 透過長10mm、ゲージ体積2 x 2 x 2 mm3、分解能0.2%の条件での、20点での残留ひずみマッピングの場合。
合計時間 = 10分 x 20点 = 200分

*上の例に、試料を装置に設置する時間、試料を移動させる時間や荷重を変化させるための時間は含まれていない。

ビームラインチーム

装置責任者相澤 一也(JAEA, J-PARCセンター)
副装置責任者ハルヨ ステファヌス(JAEA, J-PARCセンター)
川崎 卓郎(JAEA, J-PARCセンター)
原田 剛(JAEA, J-PARCセンター)
岩橋 孝明(日本アドバンストテクノロジー(株))
GONG Wu(京都大学構造材料元素戦略研究拠点/JAEA, J-PARCセンター)

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